初期のオイル仕上げ 戻る
私が、内部の塗り仕上げの無い新品のケーナを吹き始めたときには、まず保護のために内部をオイル仕上げにしています。
ちょうど木でできた家具にオイルステンを塗って仕上げるのに例えると解りやすいでしょう。
そうすると、水分が素材に染み込みにくくなります。仕上がって割れ、カビなどが発生しにくくなります。
仕上げ無しで吹いていると黒カビが発生して内部が真っ黒になってくる。
オイル仕上げでかなり防げます。ただオイル仕上げにすると、多少音色に変化を生じます。音色が丸くなる感じかな。
しかし、よっぽど気にしていないと感じられない、聞いただけではあまりわからないくらいの変化です。
オイルは、どんなものを使っているか。私はヤマハせいのボアオイル(木管楽器専用割れ防止オイル)をずっと使用しています。
小さなプラスチックのビン入りで、500円くらい。大きな楽器店ならどこでも手に入ります。
一瓶でかなり長く使えます。使う量はちょっぴりですからね。
その他、くるみ湯,ツバキ油、じゅうねん油、など自然素材はどうでしょう。私は使ったことはありませんが体には良さそうです。
ただし酸化したときの匂いなどが気になるかもしれません。鉱物油はさすがに体に悪そうな気がします。
オイルを塗るときには、掃除用の場欧をまず製作します。
ケーナより少し長めがいいでしょう。
私は37Cmのケーナのときは45Cmくらい、50Cmのケーナの場合は60Cm位で製作しています。既製品の管楽器クリーニング棒ではケーナ向きの長さの物がなかなか有りません。
鉛筆より少し細めの丸い棒を用意します。ホームセンターなどで色々売っています。
適当な長さに切り、先端にクリーニング用のガーゼやティッシュペーパー等が通るような穴を工夫してつけます。
私はクリップを流用して作っています。簡単な工作でできますので皆さんも作ってみてください。詳しくは図1を参照してください。
新品のケーナの場合はまず直接何滴か、管の内部にオイルを注入します。吹き口や指穴から入れてください。
その後クリーニング棒に巻きつけたティッシュペーパーなどで、満遍なく塗りこみます。
おいておくとオイルは自然に染み込んでいきます。始めのうちは、これを何回か行い、オイル仕上げをしていきます。
どのくらいかは、それぞれ人の好みです。私は大体の感じでやっていますので、どれ位というのは難しい。
塗りすぎで壊れることはありませんが、中を触って、あまり油っぽくなりすぎたらやり過ぎでしょう。こまめに塗るのは最初の何回かで十分です。後はごくたまにでかまいません。
オイル仕上げにすると、ケーナの音色はまろやかできめ細かくなるようです。
丸くなる感じかな。
仕上げないと、かさかさした感じ、独特のかすれが残るようです。音色が変わってくるのは確かで、オイル仕上げにするか、そのままかは、音色の好みにも関係してくると思います。
ただ、日本の高温多湿気候ですと、そのままだとまず内部がカビると思われます。
ケーナの故郷の中部アンデス高原いったいはかなりの乾燥地帯なので、そこではカビる心配が無いのかもしれません。